プロジェクト管理と聞くと、なんだか難しそうに感じるかもしれません。
でも、実は日常の料理や家事も立派なプロジェクトなんです。
たとえば「カレーをつくる」。
これも、目的・作業・スケジュールを整理すれば、立派なプロジェクト管理になります。
この記事では、「カレーづくり」を題材にして、WBSとガントチャートの作り方をやさしく解説します。
WBSとは?
WBS(Work Breakdown Structure)とは、作業を分解して整理するための図です。
日本語では「作業分解構成図」と呼ばれます。
大きな目的を「小さな作業」に分けていくことで、やるべきことの全体像が見えるようになります。
カレーづくりのWBSをつくってみよう
まず、「カレーをつくる」という目的をトップに置き、
そこから作業を分解していきます。
例:カレーづくりWBS
- 企画・準備
1.1 献立を決める
1.2 材料をリストアップする
1.3 必要な道具(鍋・包丁など)を確認する - 買い出し
2.1 スーパーに行く
2.2 野菜・肉・ルーを購入する - 下ごしらえ
3.1 野菜を洗う
3.2 皮をむいて切る
3.3 肉を切る - 調理
4.1 玉ねぎを炒める
4.2 肉と野菜を煮込む
4.3 ルーを入れて仕上げる - 盛りつけ・片づけ
5.1 ごはんをよそう
5.2 カレーを盛る
5.3 食器を洗う
WBSをつくるときのコツ
1️⃣ 作業は1人で完結できるレベルにする
たとえば「下ごしらえ」ではなく「野菜を切る」など、担当が明確になる単位まで分けましょう。
2️⃣ 抜け漏れをチェックする
「買い出し」や「片づけ」など、意外と忘れがちな工程もリストに入れます。
3️⃣ 順番を意識する
上から順に実行できるように整理すると、そのままスケジュール化しやすくなります。
ガントチャートとは?
ガントチャートは、作業のスケジュールを見える化する表です。
縦軸にWBSの作業、横軸に時間(または日付)を並べ、
作業期間を棒グラフのように示します。
これによって、どの作業がいつ始まり、どれくらい時間がかかるのかが一目でわかります。
カレーづくりのガントチャートを作ってみよう
たとえば、休日の夕食にカレーをつくる場合、こんな感じになります。
| 作業 | 担当 | 開始 | 終了 | 所要時間 |
|---|---|---|---|---|
| 献立を決める | パパ | 15:00 | 15:05 | 5分 |
| 材料を買う | パパ | 15:10 | 15:40 | 30分 |
| 野菜・肉を切る | ママ | 15:40 | 16:00 | 20分 |
| 炒め・煮込み | パパ | 16:00 | 16:45 | 45分 |
| ルー投入・仕上げ | パパ | 16:45 | 17:00 | 15分 |
| ごはん準備・盛りつけ | 子ども | 16:50 | 17:10 | 20分 |
この表を時間軸でバーにすると、こう見えます👇
15:00 ────────────────────────────── 17:10
| 献立決め | 買い出し | 下ごしらえ | 煮込み | 盛りつけ |
こうして可視化すると、どの作業が並行できるか(例:ごはんを炊く間に野菜を切る)もわかり、
効率の良い段取りが立てられます。
例えば、このWBSのうち、パパが材料を買いにいったけど、スーパーのレジが混んでいて買い物が遅延したとします。
その場合、野菜や肉を切るという作業は開始できません。
このように前作業と後作業が綿密に関連する作業がある場合は注意が必要です。
冷蔵庫にあるものでサラダを作る。などの作業がある場合は、パパの買い出しの作業遅延とは関連がなく、進めることができます。
タスクの依存関係や並行して進められる作業がないか、整理することが大切です。
ガントチャートを作るときのポイント
- WBSの順番に沿って作る
作業を整理してからスケジュール化すると、抜けが減ります。 - 余裕時間(バッファ)を入れる
思わぬ遅れにも対応できるように、5〜10分の余裕を入れましょう。 - 役割を明確にする
誰がどの作業を担当するかを明示することで、責任がはっきりします。
初心者がやりがちなミス
- 「とりあえず作業を思いつくまま書く」→ 目的から逆算して整理するのが大事
- 「スケジュールを詰め込みすぎる」→ 実際の所要時間を見積もる癖をつけよう
- 「作ったあと見直さない」→ 進捗に合わせて更新しよう(料理も途中で味見しますよね)
まとめ
WBSは「何をやるか」を洗い出すための地図。
ガントチャートは「いつやるか」を示すカレンダー。
この2つを使えば、料理でも仕事でも、やること・順番・時間配分が明確になります。
カレーづくりのような身近な例で練習してみると、プロジェクト管理の感覚が自然と身につきます。
慣れてきたら、Excelや無料ツール(Backlog、Notion、Googleスプレッドシートなど)を使ってデジタル化してみましょう。
最初の一歩は「カレーをつくる」から。
次は「チームで成果を出す」プロジェクトへ――。